今月読み終えた本は下記の二冊だけ。
ネトウヨの研究資料として読んだ。
印税や売上げでの貢献を避けるため、どちらもアマゾン・マーケットプレイスを利用したと書いておこう。
これは石原慎太郎と同じ扱い。
(もっとも石原慎太郎の著作は一冊も読んでいないし、これからも読むつもりはない旨を改めて宣言する)
- 作者: 富田安紀子
- 出版社/メーカー: 青林堂
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本が好きでなぜ悪い! - 拝啓、『日之丸街宣女子』から思いを込めて - (ワニブックスPLUS新書)
- 作者: 富田安紀子
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/12/09
- メディア: 新書
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感想としては id:akutsu-koumi 氏のブログ記事の通りであり、ネットで目覚めた思考そのものと言える。
取り敢えず最後まで読むには読んだが、本書の感想を一言で述べろと言われたら「良く出来た嘘話ですね」としかこたえようがない。
「良く出来た」とは茶化しでも嫌味でもない。作者は「日之丸」の保守系活動家達に最初から最後に至るまでついに一言のヘイトスピーチもさせていない。それは即ち作者に「ヘイトスピーチに該当するスピーチとそうでないスピーチ」の境目を認識・判断する能力が備わっている事を意味する。同時にそれは現実社会で行われているヘイトスピーチを忠実に漫画化すれば、言い訳の仕様がない代物であると暗に認めたも同然である事も意味している。本当にヘイトスピーチ批判が不当で間違ったものだと思うのであればわざわざ現実を改変せず、「良い朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ」と書いたプラカードを作中の活動家に掲げさせたり、中学生に鶴橋で虐殺を叫ばせたり、新大久保の在日コリアンが経営している店舗やその客に嫌がらせを仕掛けている様をそのまま描けば良いのだから。
内容は論外だが、絵柄だけ見ればアクが強いでもなくクセが強いでもなく、それなりに読みやすいものがあるので需要もそれなりにあるのだろう。
「どーせこんなヘイト漫画描くやつなんて食い詰めた三流漫画家かなんかだろ」と冷笑するのは容易いが、軽視するのは些か危ういかもしれない。
ところどころデッサンが狂っているところもあるが、確かに絵は上手い部類と言えるだろう。
山野車輪は絵もストーリー展開も酷いものだったが、こちらはその点を克服していることは確かだ。