yosi0605's blog

とりとめのない備忘録です

先週の読了

14歳からの靖国問題 (ちくまプリマー新書)

14歳からの靖国問題 (ちくまプリマー新書)

靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)

靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)

司馬遼太郎をはじめ、今や誰もが一八六七年の「革命」(=明治維新)を肯定的に語る。けれども、そうした歴史評価は価値中立的ではない。なぜか。内戦の勝者である薩長の立場から近代を捉えた歴史観にすぎないからだ。「靖国史観」もそのひとつで、天皇中心の日本国家を前提にしている。本書は靖国神社創設の経緯をひもときながら、文明開化で儒教が果たした役割に光をあて、明治維新の独善性を暴きだす。気鋭の歴史学者が「日本」の近代史観に一石を投じる檄文。

上記二冊は先々週の東京行きの際に往復の新幹線車中で読んだのもので、しかも再読(再再読?)なので「先週の読了」という言い方は正確ではないかもしれない。


新書版の「国体」「英霊」「維新」の三章に、新章「大義」を増補。

靖国神社宗教法人化は、本当にアメリカに強制されたものだったのか?
国家の施設だった戦前、民間の一宗教法人となった戦後。それに対して、神社の公的復権を求める社会的な勢力が、全ての諸問題を生んだ。
政府の現役閣僚他、国会議員靖国参拝により、毎年噴出する「靖国問題」。しかし、「公人としての参拝か私人としてか」といった「政教分離論議」と、「周辺諸国への配慮に対する国粋主義的な主張」が繰り返され、話は平行線をたどるばかり。本書は、靖国が戦後改革の中で講じた「生き残り策」と当時の時代状況を、膨大な原資料を読み解くことで、「靖国問題」の深層に肉薄する。

小島毅氏が『靖国史観』の中で、三土修平氏の『靖国問題の原点』を「基本的事実を押さえた」本と評していたので、まずは三土氏の新書(電子版)に手を出してみた。
なかなか読み応えがあったので、『靖国問題の原点』(こちらも増補版が出ている)にも手を出してみようと思う。