yosi0605's blog

とりとめのない備忘録です

柳亭市馬「目黒のさんま」

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http://www.radiodays.jp/item/show/300140

「目黒のさんま」
柳亭市馬

旬のさんまを知らぬとはおいたわしい(落語随談付き)

【あらすじ】
秋の晴れた日、ある殿様、退屈しのぎに目黒に遠乗りと、いきなり馬に乗って駆けだします。あわてたのは家来たちです。途中落馬でもされてはえらいことと、馬に乗るのも間に合わず家来たちはあわてて駆け足で追いかける騒ぎ。やがて昼時、殿様もおなかが空きましたが、もちろん弁当など用意しておりません。その時、近くの民家からなんとも香ばしいにおいが漂ってきます。「この匂いはなんじゃ?」「さんまでござります。殿の口には合わない、下魚でござります」「かまわん、ここへ持て!」 旬の焼きたてのさんまです。いつものお上品な鯛とは違って、青空の下で食べるさんま、その美味しいことといったらありません。ところがすっかり平らげてご機嫌の殿様、家来から「さんまを食べたことはくれぐれもご内密に」と釘をさされてしまいます。さんまの味を忘れられない殿様ですが……。

【聴きどころ】
天下太平の世、殿様はのほほんとして世間知らず、それが町人の笑いのネタになります。どこか憎めない、育ちの良いまるで子供のような殿様に市馬師匠の泰然としておっとりとしたキャラクターと明朗な声がぴったりとはまっています。

【もうひと言】
最も有名な落語の一つでしょう。先代の金原亭馬生が有名でした。シンプルで、おおらかな噺ですが、演じ手を選ぶ、手ごわい噺でもあるのではないでしょうか。

[収録:2007年11月9日 コア石響(東京・四谷)]