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yosi0605's blog

とりとめのない備忘録です

柳家わさび「だくだく」「金明竹」

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だくだく
柳家わさび

http://www.radiodays.jp/item/show/300244

つもりがつもりつもって
【あらすじ】
引っ越しをした八五郎、元の家で使っていた家財道具はすべて道具屋に売ってしまいました。新しい家はがらんとしていてどうにも落ち着かないけれど、道具を買い揃える金もありません。そこで一計を案じ、壁一面に白い紙を貼って、知り合いの絵師先生に家財道具の絵を描いてもらうことにします。床の間、掛軸、お札の入った金庫、台所のへっつい、火にかかっている鉄瓶から欠伸をしている猫に至るまで描いてもらいます。満足した八五郎が飯を食いに出かけてしまうと、入れ違いに泥棒が忍び込んできます。かなりの近眼なので、道具が絵だとは気がつきません。「えらい物持ちだ」と当たりをつけて夜にまた入ろうという算段。夜になり、八五郎が酒を呑んで寝ころがっていると、はたして泥棒が入ってきます。目を覚ました八五郎に見られているとも知らず泥棒は「いい箪笥だなあ、総桐だ!」と箪笥の引き出しに手をかけようとしますが…。

【聴きどころ】
家財道具どころか飼い猫さえもすべて絵に描いてしまう、という大胆な発想が貧乏くささを通り越してナンセンスな趣がある、不思議な噺です。二つ目になりたてのわさびさん、どこかとぼけたようなマクラを始めるところも魅力的ですが、だんだん興に乗ってきて、後半絵に描いた道具を使って、男と泥棒が「つもりで」やりあうところなど、楽しそうで活き活きしています。わさびさんのユニークなキャラクターにあった噺です。

【もうひと言】
昔、寄席である噺家がこの噺を演じたとき、一人の客が「アーア、面白かった……つもり」と言ったところ、噺家がそちらを振り向き、「いやな客……のつもり。ポカッと横っ面を殴り倒した……つもり」と応えた、いうエピソードがあるそうです。

[収録:2008年4月5日 コア石響(東京・四谷)]

金明竹
柳家わさび

http://www.radiodays.jp/item/show/300236

コミュニケーション・スキルはわさびに学べ!
【あらすじ】
ちょっと頭のねじのゆるんでいるまつ公、親戚のおじさんの家で奉公していますが、やることなすことピントがずれています。店番をしていて、軒先で雨宿りする見知らぬ人に高価な蛇の目傘を貸してしまったり、ネズミ退治に猫を借りに来た人に「貸し猫は使いものにならなくなったので、物置に放り込んである」と貸し傘の断り方で断ってしまったりします。おじさんに小言を言われどおしで、まつ公はふてくされています。おじさんが出かけるとそこにまた来客が来ます。「わてな、中橋の加賀屋佐吉方から参じましたもんでな、先度(せんど)仲買の弥一が取り次ぎました道具七品のことでおます…」関西弁で早口でまくしたてられて、まつ公も側にいる女将さんにもさっぱりわかりません。

【聞きどころ】
今年三月に二つ目になったわさびさん、クスグリが不発でもそれをまたギャグにして、立ち直るところはなにか高校球児を見ているようで、お客も応援したくなります(これも確信犯かも?)。わさびさんのほんわかとした持ち味を活かしたまつ公が可愛らしいです。

【もうひとこと】
もとは天保年間の古い滑稽噺。骨董品の特殊な言葉を散りばめた、舌を噛みそうな後半の言い立てがあることから、前座さんがよく高座にかける噺です。題名は観賞用、あるいは工芸品に使われる竹の種類のこと。

[収録:2008年5月17日 コア石響(東京・四谷)]