yosi0605's blog

とりとめのない備忘録です

「困ってるひとと困ったひと」

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http://www.radiodays.jp/item_set/show/545

ラジオの街で逢いましょう 第263回
大野更紗×小田嶋隆 「困ってるひとと困ったひと」(全巻セット)
大野更紗(作家) 小田嶋隆(コラムニスト)

80年代生まれの福島の女学生は、カルチェラタンを夢見ていた

対談前から大野さんは「おじさんが好きです」と言った。そして、「小田嶋さんのファンです」と告白していた。小田嶋氏は、大野さんにとって「かっこいい」おじさんの代表だった。
 一方、小田嶋氏は、ブログで始まった『困ってるひと』の連載に早い段階から注目していた。その筆力、観察力、分析力、ユーモア。「タダものではない!」感を強くしていた。
 
 お互い特別な存在だったふたりの初トークである。出だしは、大野さんのバックボーン。福島の自然豊かな田舎で育った大野さん。学校や図書館で出会う書物や哲学・思想の本は、本当に厳選されていた。というより、福島の文字文化は大河のようにゆったりと流れており、当時図書館にあった『ゴダール全集』を読破した大野さんは、「東京には、カルチェラタンのような哲学や文化を語る学生街が存在する」と本気で思っていたという。
 つまり、東京から地理的にも時間的にも遠く離れた福島という地で、大野さんは思想がまだ骨太な時代の書物や古典に出会い、じぶんの思索を深め、思考の背骨をじっくりと育てあげたらしいのだ。

 その大野さんが 強烈に“じぶん”というものを発見したきっかけは、高校時代、東京に遊びに来た時に訪れたBunkamuraの「ミレー展」だった。東京への“違和感”や郷里にいる頃から感じていた“居場所のなさ”は、展覧会で出会ったある名画の前に突然立ち現れ、以後、大学時代に大きく膨らんで、とうとうミャンマーへの旅立ちへと展開する。

 プラスワンでは、大野さんの筆力はどこから来るのか、どうして大野さんはおじさんが好きなのか、そして、小田嶋氏の「かっこいい」おじさんぶりは、どこに起因するのか、おじさんとは何かなどといった話が続く。

 全篇、まだまだ三十路に届かない大野さんから飛び出す古老の格言のような言葉にドキリとさせられる。謎めく大物新人、大野更紗さんのお話をぜひお聴きください!!