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yosi0605's blog

とりとめのない備忘録です

蓮池透『拉致−左右の垣根を越えた闘いへ』

AERA6.15号で新右翼団体「一水会」最高顧問の鈴木邦男氏が蓮池透さんの本の書評を書いている。これが目当ての記事だった。今回その書評を確かめるべく注文し、20日に届いた。待っている間に本の方も買って読んでみた(記事の一部)。

今、拉致被害者が置かれた状況は日々悪化していると言わざるをえない。交渉自体が行き詰まっている。北朝鮮の挑発も、対する日本の世論も〈運動〉もエスカレートして、「北朝鮮の体制打倒」や「核武装」まで叫ばれる。そして家族の感情から遊離していく。そこで「拉致被害者奪還を優先した交渉を」と叫べば「何を言ってるんだ」と対立が生まれる。今や蓮池透さん自身が〈かつてとは異なり、右翼的な人たちから、「あいつは変節した」「裏切り者」とバッシングを受けて〉いるという。鈴木氏は書評で、

「運動の論理」に流されまいとする人々にはいつも投げつけられる罵声だ。「甘いもっと経済制裁すべきだ」という人もいる。
しかし、そう批判する人のほうが甘い。日本も対抗して核を持てという人は、国際的批判も孤立も覚悟して核を持てという。だったら北朝鮮を見習うしかない。これでは日本の「北朝鮮化」だ。
 また、日本は戦争直前、経済封鎖された。だからといって態度を変え、「親米英」にはならなかった。逆に「鬼畜米英」と呼び、戦争に突入していった。日本だってできなかったことことを、なぜ北朝鮮にだけは期待するのか。そんな甘い国ではないのに。蓮池さんのほうが絶望は深い。その上で決死の覚悟で書いた。訴えた。それがこの本だ。


少なくともメディアに露出する“バッチ”を付けた政治家・評論家を見極める目が必要だ。そして、声を出したくても出せない家族もいることに思いを致そう。帰国した被害者もその家族も未だ〈安住の地〉にたどり着いていない。〈ほかのひとのことが頭にあって、心の底からどっぷり喜びに浸ることなどない〉と言った蓮池薫さん。そしてお母様は、

うきうきと笑顔で歩いていたら「まだ、めぐみさんの問題が解決していないじゃないか」と言われるそうです。しょぼんとして歩いていたら、「うれしくないのか」と言われます。「私はどういう顔して、まちなかを歩いていいかわからない」と困っているのです。よく「頑張れよ」と声をかけらますが、そうすると「何を頑張ればいいのだろう」と困ってしまうらしいのです。一時、精神的に不安定になったことがありました。


私たちのワイドショー的な情報の受け方も問われている。
「遺骨鑑定問題」などあまり“知らされない”問題にも言及していて、年表も含めてわずか111ページだが、「重い」本だ。



拉致―左右の垣根を超えた闘いへ

拉致―左右の垣根を超えた闘いへ